西はりまライオンズクラブ 活動報告

活動を報告します

記事一覧

2月度第2例会(リーダーシップ委員会活動報告)2019.2.13

アップロードファイル 92-1.jpgアップロードファイル 92-2.pdf
アップロードファイル 92-3.pdf

★平成三十一年 論語に学ぶ人間学セミナー 第一回★

今年も引き続きの形ではありますが、論語に学ぶ人間学セミナーが始まりました。論語を学ぶ機会があることをご存じない方も多いと聞いて、二月三日には、腰塚勇人先生をお迎えして「命の授業」の講演会を開催、その後、当セミナー講師でもある三木英一先生と西はりまライオンズクラブのメンバーである木南一志氏をパネラーとして「新しい時代に向かって」というサブテーマでパネルディスカッションを行ないました。司会の山本えりさんにも入っていただいて、いろいろとそれぞれの人生観を語っていただきました。古典を学ぶことで、未来に向けてのヒントが隠されていることにも気づかされる良い機会となったのではないかと自負しています。

 さて、本年は論語の素読に加えて、「歴代天皇の御名」「教育勅語」を全員で読み上げることとなりました。課題は昨年の「大学」に続いて「中庸」、先哲の名言に学ぶと題して、三木英一先生から今月は「親鸞聖人」についてご紹介いただきました。

■仮名論語 

 学而(がくじ)第一(だいいち)

論語の始まりのよく耳にする言葉がたくさん出てきます。

 学びて時(とき)に之(これ)を習(なら)う、亦(また)説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)遠方(えんぽう)より来るあり、亦(また)楽(たの)しからずや。

聖賢の道を学んで、時に応じてこれを実践し、その真意を自ら会得することができるのは、なんと喜ばしいことではないか。共に道を学ぼうとして、思いがけなく遠方から同志がやってくるのは、なんと楽しいことではないか。
同じ場所で、同じように学ぶ仲間として、皆さんの素読の声がひとつになって響いていきます。
 
 曽子(そうし)曰(い)わく、吾(われ)日(ひ)に吾(わ)が身(み)を三省(さんせい)す。

「三省堂」という書店の名前は、ここからきていると教えていただきました。論語が名前の語源となっている例はたくさんあります。今回も「切磋琢磨」という四字熟語が素読の中で出てきました。


■中庸

中庸は、「孔子が伝えた教えを、孫にあたる思子が述べて記したもの」です。論語につながる教えですが、なかなか難しいものです。習うより慣れろという言葉を思い出しました。

 天(てん)の命(めい)ずる之(これ)を性(せい)と謂(い)い、性(せい)に率(したが)う之(これ)を道(みち)と謂(い)い、道(みち)を修(おさ)むる之(これ)を教(おし)えと謂(い)う。

テキストでは難しいので、プリントでいただいた伊與田先生の解説を紹介します。
万物を等しく生成してやまない宇宙根源の働きを造化といい、また天ともいう。人にもまたそれぞれに、生まれながらに何人も代わることのできない尊い固有のはたらきが、天から与えられている。これを性という。努力によってその性を発現するのが、人と成るというのである。その為には、それに相応する天のおきてがある。これを道という。その道を歩むには先覚の残した道標に由ることが確かである。これを教えというのである。


■先哲の名言に学ぶ 「親鸞聖人」
ボロボロに擦り切れるほどの文庫本を手に持たれた三木先生。
小学校五年生の時に出征したお父さんが戦死されたとの報せに、貧乏のどん底から生きて来ることができたのは、この「歎異抄」のおかげと涙ながらに話されました。
「善人(ぜんにん) なをもて 往生(おうじょう)をとぐ、いはんや 悪人(あくにん)をや。」
有名な悪人正機説という一節です。
三木先生の解説では、小舟に乗った人の中に泳げる人と泳げない人がいる。船が転覆したときに泳げる人は大丈夫。泳げない人こそを、仏さんは救うのだと分かりやすく教えてくださいました。

人間学は知識を学ぶところではなく、人間としてどう生きるかという毎日問われていることを自分の問題としてどうとらえていくか、そんなところにヒントをいただける貴重な機会です。
今年は平成という時代が終わり、新しい御代が始まります。どんな元号になるかは四月一日のお楽しみです。この節目の年に、歴代天皇の御名を朗唱することも、何か意義があるように思えてなりません。
是非、一度ご参加いただいて、感じていただければと思います。


論語に学ぶ人間学セミナーは継続のテーマではありませんので、いつからでもご参加可能です。
新規受講の皆様には、テキストを受付にて購入していただくことができます。
「仮名論語」 伊與田覺著[論語普及会]一四〇〇円
「大学・中庸」矢羽野隆男著[門川ソフィア文庫]八〇〇円       ※既にお持ちの方は購入不要です。

  • 2019年04月15日(月)14時27分

■講演会「命の授業 ~新しい時代に向かって~」

アップロードファイル 91-1.jpgアップロードファイル 91-2.jpgアップロードファイル 91-3.jpg

2019年2月3日(日)龍野経済交流センターにて、講演会「命の授業 ~新しい時代に向かって~ 」を開催しました。

講師に腰塚勇人氏をお招きし「命の授業」講演会の後、パネルディスカッションを行い、英斎塾塾長 三木英一先生、当クラブメンバー 木南一志氏、司会 山本えり様にパネラーとしてご参加いただきました。

当日は近隣地域より100数名の方にご参加いただいき、好評を博しました。
改めて当クラブの活動を地域の皆さまへ広く知っていただけたと思います。

  • 2019年02月03日(日)14時00分

12月度第2例会(リーダーシップ委員会活動報告)2018.12.12

★平成三十年 論語に学ぶ人間学セミナー 最終講★

十年目の節目となった西はりまライオンズクラブ主催の論語セミナーも最終講を迎えました。ノーベル賞の本庶 佑先生が羽織袴で授賞式に堂々と登場して流暢な英語で講演をされる姿を見て、三木英一先生はかつての恩師を思い出されたそうです。同じくノーベル物理学賞を受賞された朝永振一郎先生からのお手紙を紹介してくださいました。昭和四十年のことですから、歴史を感じます。また、十六歳でフィギュアスケート世界のトップに立った紀平梨花さんの喜ばしいニュースの裏側で国会の先生方は何をしていたのかと憤慨する思いは私たちも同感でした。
十二月八日は大東亜戦争の開戦記念日。用意いただいた「開戦の詔書」を読んでくださり、太平洋戦争という呼び方はGHQが指導したものと知ることができました。大東亜の解放のため、日本は負けましたが、アジアの各国は独立を果たし、その役割を果たしたということでした。


■仮名論語

 堯曰(ぎょうえつ)第二十(だいにじゅう)

こちらも最終篇となりました。立派な帝といわれた堯が舜にその位を譲るときに言われた言葉。
人の上に立つ立派な人の心構えが参考になります。

 命(めい)を知(し)らざれば、以(もっ)て君子(くんし)たること無(な)きなり。禮(れい)を知(し)らざれば、以(もっ)て立(た)つこと無(な)きなり。言(げん)を知(し)らざれば、以(もっ)て人(ひと)を知(し)ること無(な)きなり。

天命を知らなければ、君子たるの資格がない。礼を知らなければ、世に立つことができない。言葉を知らなければ、人を知ることができない。
立派な人の要件として、「知命 知禮 知言」と教えていただきました。

■大学

 利(り)を以(もっ)て利(り)と為(な)さず、義(ぎ)を以(もっ)て利(り)と為(な)す。

国家においては利ではなく、義を利(よろ)しきこととする。       大学を素読する 伊與田覺

孔子は、「人格者は利を見て義を思う。」として利益には義を考えあわせるべきで、「君子は義に敏感で、小人は利に敏感」として、義を優先するのを理想とした。
熊沢蕃山の「大学或問」は、幕府への意見書で最も重要な思想が「時(じ)・処(しょ)・位(い)」
「時(とき)・処(ところ)・位(立場)」を適切に対処すべきと説いています。
格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下となる八条目の真ん中にある「修身」こそが大切で、まず、自分の身を修めることを戦前の教育は「修身」として学んでいたのです。

■「心豊かに老いを生きる」( 三木 英一 著) 
十、一隅を照らす生き方


十回にわたって三木英一先生の人生を振り返り、大切にされてきたことを語っていただきました。齢八十を超えて尚、熱い思いをもって【生涯現役、臨終定年】という気概で懸命に自分磨きを続けておられます。そういうことができるのは、健康だからということもありますが、もし、病院にいたとしても、家族の無事や安全を祈ることも無駄なことではないし、自分の人生に与えられたものをローソクの火のように身を焦がしながらも懸命に務めていくことが大切であると語ってくださいました。
 また、大切にしてもらいたいのは「本を読むこと」自分の人生だけでは幅が狭く、深さも出てこないが、読書を通じて古人の知恵や教えを我が事として経験していくことができる。小林秀雄が好きでいまだに本を見つけるとすぐ買ってしまうことなど、ずっと学んでおられる姿を垣間見る思いがしました。


来年は2月3日に「命の授業」という講演会とパネルディスカッションを企画しております。
論語セミナーはこれからも続きますので、どうぞ新年から気分一新でご参加ください。
新規受講の皆様には、テキストを受付にて購入していただくことができます。
「仮名論語」 伊與田覺著[論語普及会]1,400円
「大学・中庸」矢羽野隆男著[門川ソフィア文庫]800円    ※既にお持ちの方は購入不要です。

  • 2018年12月12日(水)18時30分

11月度第1例会(リーダーシップ委員会活動報告)2018.11.14

★平成三十年 論語に学ぶ人間学セミナー 第九回★

十年目の節目となった西はりまライオンズクラブ主催の論語セミナーも今年はあと一回を残すのみとなりました。毎月集う常連の皆様の顔を拝見しながら、論語の素読が大きな声でホールいっぱいに響き渡る元気の源を見るように感じました。全国で論語の勉強会はたくさんあると思いますが、ライオンズや商工会議所が主催しての市民講座がこうして続いている例は少ないと思います。受講者から三木英一先生が神戸新聞に載っていたとコピーを頂戴しました。(写真)

来年の講座は、論語の素読に加えて「中庸」と「先哲の名言に学ぶ」を企画しております。

■仮名論語 

 子(し)張(ちょう)第十九(だいじゅうく)

孔子の弟子の子張や子夏の言葉が出てきます。論語は、どこからでも読めて、参考になる言葉が出てくるのは、知識を教える教科書ではなく、人の道や上に立つ者の心構えを弟子が先生から聞いた言葉をまとめたものであるからということです。


 子(し)夏(か)曰(いわ)く、博(ひろ)く学(まな)びて篤(あつ)く志(こころざ)し、切(せつ)に問(と)いて近(ちか)く思(おも)う。仁(じん)其(そ)の中(うち)に在(あ)り。

子夏が言った。「博く学んで見聞をゆたかにし、志を厚くして切実に師友に問い、自分の実践上のこととして工夫するならば、仁の徳はおのずからそこに生ずるものだ。

三木英一先生からは、仁の徳を身につけるために必要なこととして、
「博学 篤志 切問 近思」と板書して教えていただきました。

■大学

 徳(とく)は本(もと)なり。財(ざい)は末(すえ)なり。

徳が本であり、財は末である。本である徳をおろそかにして、末である財を重んずれば、遂には民を争わせて奪い合うことを勧めることになる。
大学を素読する 伊與田覺

上に立つ人が徳を高めることに努めていくことで国家財政は健全化されるということであるとしめされています。現在の政治家に学んでいただきたいところです。格物・致知・誠意・正心・修身・斉家・治国・平天下となる八条目は、まず、自分が実行していく順序を示してあるとわかりました。政治家に求めるだけではなく、国民として一人ひとりが実践に努めていくことが大切なことでしょう。


■「心豊かに老いを生きる」(三木 英一 著)

今回は「どの花見てもきれいだな」ということで皆さんでチューリップの歌を合唱しました。

「咲いた 咲いた チューリップの花が
 並んだ 並んだ 赤 白 黄色
 どの花見ても きれいだな」

論語の素読とは違う味わいが同様にはあります。大きな声で歌うと、子供に戻ったように感じるから不思議です。合唱の声がにこやかな顔と温かい心を生み出していきます。

「花は置かれた場所で咲く」と先生は話され、自分自身に置き換えると、不平不満ばかりを並べたてている日常を思い起こすことになりました。いかに厳しい条件のところであろうと、綺麗な花を咲かせる生き方を考えさせられるきっかけとなりました。

続いて、働き方改革や外国人労働者の問題など自分の持ち味を生かすこと、学校の成績で人生は決まらないこと、そして、日本人の持てる美的感性の素晴らしさを枯葉や虫の音に例えて教えていただきました。


人間学セミナーは自身を磨く為の良い機会になると思います。皆様のご参加お待ちしております。
次回は、本年最後の講義となります。十二月十二日(水)午後六時三十分からです。

  • 2018年11月14日(水)18時30分

加古川ツーデーマーチ 5kmウォーク

アップロードファイル 88-1.jpgアップロードファイル 88-2.jpg

11月10日(土曜日)加古川ツーデーマーチに参加し、糖尿病予防を訴えて5km歩きました。

  • 2018年11月10日(土)09時30分

10月度第2例会(リーダーシップ委員会活動報告)2018.10.10

★平成三十年 論語に学ぶ人間学セミナー 第八回★


本年の残り回数も今回を入れて三回となりました。西はりまライオンズクラブ主催の論語セミナーが十年目となり、参加者の中からこれだけは続いているという声が聞こえるようになってきました。
始まりは、「国歌斉唱」。
以前に三木英一先生から教えていただいた「君が代」の正しい歌い方で《さざれ~石の~》を《さざれ》と《石》の間で息継ぎをしないことを意識すると、息が続かなくなります。三木先生は日ごろ鍛えられている詩吟とダンスの成果か、最もきれいな大きな声で歌われます。今回も新しい参加者をお迎えしてのセミナーとなりました。


■仮名論語(かなろんご) 微子(びし)第十八(だいじゅうはち)

この編には、「子日わく」という言葉が少なく、孔子が理想とした「徳によって治める」という徳治政治が行なわれておらず、乱れた時代に隠者となって世を捨てて生きる人の言葉が多くみられます。


夫子(ふうし)憮然(ぶぜん)として曰(のたま)わく、鳥獣(ちょうじゅう)は與(とも)に群(ぐん)を同(おな)じくすべからず。吾(われ)斯(こ)の人(ひと)の徒(と)と與(とも)にするに非(あら)ずして誰(たれ)と與(とも)にかせん。天下(てんか)道(みち)有(あ)らば、丘(きゅう)は與(とも)に易(か)えざるなり。

孔子先生はがっかりして言われた。
「鳥や獣とは共に生活することはできない。私は、斯の世の人と共に生活しないで誰と共にしようか。もし、天下に道が行なわれてよく治まっておれば、私も何も改めようとしないのだ。


■大(だい) 学(がく)

所謂(いわゆる)天下(てんか)を平(たい)らかにするには、その國(くに)を治(おさ)むるに在(あ)りとは、上(かみ) 老(ろう)を老(ろう)として 民(たみ) 孝(こう)に興(おこ)り、上(かみ) 長(ちょう)を長(ちょう)として 民(たみ) 弟(てい)に興(おこ)り、上(かみ) 孤(こ)を恤(あわれ)みて 民(たみ) 倍(そむ)かず。是(ここ)を以(もっ)て君子(くんし)に絜矩(けっく)の道(みち)有(あ)るなり。

「天下を平らかにするには、その国を治むるに在り」とあるのは、君主が老人を老人として心から大切にすると、民は自ら自分の親に孝養を励むようになる。君主が年長者を年長者として大事にすると、民は自ら、兄や姉に素直に従うようになる。君主がみなしごをあわれんでよく面倒を見ると、民は心から従うようになる。そこで君主には君主としてのよるべき尺度(基準)となる道があるわけである。


■大学を素読する 伊與田覺

「絜矩の道」と「忠恕」について三木先生から解説をしていただいて、単純に文を読むだけではわからない深い意味が分かるような気がしました。また、致知出版社の創刊四十周年の記念に出版された「言葉は力」の中からご縁がつながった滋賀の女性のお話があり、前向きに生きる生き方というものを感動とともにその人生から教えていただいたようでした。


■「心豊かに老いを生きる」(三木 英一 著)
 
今回は「日日是好日」(にちにちこれこうにち)、よく目にする言葉ですが、三木先生の解釈として、新約聖書にも同じような教えがあると分厚い聖書の本から英文を示してくださいました。

逆境の中でも天の与えた試練ととらえ、前向きに生き、順境の中では得られない価値を見出して生きていく心得を説かれたものであると教わりました。

So do not be anxious about tomorrow, tomorrow will look after itself.
Each day has troubles enough of its own.

[The New English Bible]
Oxford, Cambridge Univ. Press


人間学セミナーは自身を磨く為の良い機会になると思います。皆様のご参加お待ちしております。
次回 平成三十年度 第九回は、十一月十四日(水)午後六時三十分からです。

  • 2018年10月10日(水)18時20分

西日本豪雨災害支援

アップロードファイル 87-1.jpegアップロードファイル 87-2.jpeg

西日本豪雨による土砂崩れや浸水で被害を受けた宍粟市に対し、寄付金15万円をお贈りいたしました。

  • 2018年10月10日(水)14時00分

9月度第1例会(リーダーシップ委員会活動報告)2018.09.12

★平成三十年 論語に学ぶ人間学セミナー 第七回★

西はりまライオンズクラブ主催の論語セミナーが十年目に入っております。毎月同じ顔を拝見しながら、また、今回が初めてですと言われる方など、年齢を重ねても学ぼうという姿勢で取り組まれている市民の皆様の熱い心が「国歌斉唱」や「論語の素読」で伝わってきます。

読書百遍(どくしょひゃっぺん) 意(い) 自(おのず)から通(つう)ず といわれるように、繰り返し学ぶ中で意味が分かるときがやってきます。学校の先生としてだけではなく、若いころから人間学を学んでこられた三木先生の解説や事例などのお話で「そうだったのか!」と氣づくことができればこれほど素晴らしいことはありません。

十二月まで毎月の講座ですが、いつからでも参加できますので、龍野商工会議所のホームページや本誌折込みチラシにて申し込みください。


■仮名論語(かなろんご) 揚(よう)貨(か)第十七(だいじゅうしち)

子(し)曰(のたま)わく、性(せい)相(あい)近(ちか)きなり。習(ならい)相(あい)遠(とお)きなり。

孔子先生が言われた。
人の生まれつきは大体同じようなものであるが、しつけによって大きくへだたるものだ。つまり、生まれたときは同じようなものでありながら、年齢を重ねるごとに学ぶ人と学ばない人は大きな差が出てくるということ。


子(し)曰(のたま)わく、巧言令色(こうげんれいしょく)鮮(すく)なし仁(じん)。

孔子先生が言われた。
「ことさらに言葉を飾り、顔色をよくする者は、仁の心が乏しいものだよ。」つまり、口先の上手な人や顔色を窺うような姿勢の人には、思いやりの心が少ない、信用できないということ。この言葉は論語の中に何回も出てくる。大切なことを繰り返し教えてくださっている。


子(し)曰(のたま)わく、道(みち)に聴(き)きて塗(みち)に説(と)くは、徳(とく)をこれ棄(す)つるなり。

孔子先生が言われた。
「道ばたでよいことを聞いて、さっそくその聞きかじりを途中で話すのは、徳を棄てるようなものだ。」このことを「道聴塗説(どうちょうとせつ)」という。同じような意味で、荀子(じゅんし)という書物には「口(こう)耳(じ)四寸(よんすん)の学(がく)」(耳と口の間は四寸ほどであることから)とある。


■大(だい) 学(がく)

一家(いっか) 仁(じん)なれば、一國(いっこく) 仁(じん)に興(おこ)り、一家(いっか) 譲(じょう)なれば、一國(いっこく) 譲(じょう)に興(おこ)る。一人(いちじん) 貪戻(たんれい)なれば、 一國(いっこく) 乱(らん)を作(おこ)す。其(そ)の機(き)此(かく)の如(ごと)し。

その昔、小学校には必ずあった二宮金次郎の銅像。薪を背負って歩く少年が読んでいた本はこの「大学」である。そして、開いてあったページがここなのです。

伊與田覺先生の解説によると、
一家の中が互いに仁の心をもって和やかに睦み合えば、自ら仁の気風が国中に満ちるようになる。一家の中で互いに譲り合えば、自ずから国中に我を捨てて互いに譲り合う気風が興ってくる。しかし、君主が貪欲で道理を無視して我儘であると、国中がこぞって乱を起こすようになる。このように、治乱興亡のはずみは甚だ微妙なものである。
と、解説されております。

三木先生のご紹介で、そんな気付きをいただきながらの難しい中国古典が身近に感じられるようになってきました。


■「心豊かに老いを生きる」(三木 英一 著) 
 
今回は「読書の楽しみ」として、三木先生がたくさん読まれた本の中から吉田松陰先生の名言を紹介してくださいました。

人間として生きながら、古今の真実に通じることなく、
聖賢を師として学ばなければ、くだらぬ人間になってしまう。
だから、読書をして古人を友とするのは、
君子(立派な人)の大事なつとめである


人間学セミナーは自身を磨く為の良い機会になると思います。皆様のご参加お待ちしております。
次回 平成三十年度 第八回は、十月十日(水)午後六時三十分からです。

  • 2018年09月12日(水)18時30分

7月度第1例会(リーダーシップ委員会活動報告)2018.07.11

アップロードファイル 84-1.png

★平成三十年 論語に学ぶ人間学セミナー 第六回★

主催であります西はりまライオンズクラブの新年度が七月からとなっているため、役員交代となりました。新しく今年度の会長は、株式会社 オーツカテック社長の大塚一登となり、論語セミナーの担当委員長は、株式会社 新宮運送社長の木南一志となりました。来年六月までの担当として毎回のお世話をさせていただきます。

今年で十年目に入った論語セミナーですが、「仮名論語」の素読に始まり、昔はどの学校にもあった銅像の二宮金次郎が薪を背負いながら読んでいたという「大学」をテキストに学んでおります。

また、後半は、講師である三木英一先生の著書を教材に人間学を味わうという企画となっております。

十二月までの講座ですが、いつからでも参加できますので、龍野商工会議所のHPや本誌折込みチラシにて申し込みください。

■仮名論語(かなろんご) 季(き)氏(し)第十六(だいじゅうろく)

孔子(こうし)曰(のたま)わく、生(うま)れながらにして之(これ)を知(し)る者(もの)は上(じょう)なり。学(まな)びて之(これ)を知(し)る者(もの)は次(つぎ)なり。困(くるし)みて之(これ)を学(まな)ぶは、又(また)其(そ)の次(つぎ)なり。困(くるし)みて学(まな)ばざるは、民之(たみこれ)を下(げ)と為(な)す。

学ぶ上で大切なことを教わりました。
聖人は生まれながらにして之を知っている上等の人。其の次は、賢人で学んで之を知る。私達凡人は、行き詰まって苦しみ、学ぶことで賢人になる可能性が増えてくる。一方で、苦しんでも学ばない者は民衆もこれを下等とする。

■大(だい) 学(がく)
心(こころ)焉(ここ)に在(あ)らざれば、視(み)れども見(み)えず、聴(き)けども聞(き)こえず、食(く)らえども其(そ)の味(あじ)を知(し)らず。此(これ)を身(み)を修(おさ)むるには、其(そ)の心(こころ)を正(ただ)しうするに在(あ)りと謂(い)う。

「心ここに在らず」という喩えがありますが、その出典が「大学」にあるということで今回は「正心・修身・斉家」について学びました。


■「心豊かに老いを生きる」(三木 英一 著) 

 今回の講話は、「みずみずしい感性」のなかで、三木先生が大好きといわれるウィリアム・ワーズワースの詩を英語で読み、日本語で味わいました。

 The Rainbow
My heart leaps up when I behold
A rainbow in the sky:
So was it when my life began.
So is it now I am a man.
So be it when I shall grow old
Or let me die!
The Child is father of the Man.
And I could wish my days to be
Bound each to each by natural piety.

W.WORDSWORTH

人間学セミナーは自身を磨く為の良い機会になると思います。皆様のご参加お待ちしております。
次回 平成三十年度 第七回は、九月十二日(水)午後六時三十分からです。

  • 2018年07月11日(水)18時30分

6月度第1例会(リーダーシップ委員会活動報告)2018.6.13

アップロードファイル 83-1.jpgアップロードファイル 83-2.jpg

★平成三十年 論語に学ぶ人間学セミナー★
 
 好評を受けて今年で十年目に入った論語セミナー。昨年も使用していた「仮名論語」に加え、「大学を素読する(伊与田覺著)」「大学・中庸(矢羽野隆男著)」をテキストに学んでおります。
後半の講義は、三木英一先生著書「心豊かに老いを生きる」を教材に十二月までの講座となっています。いつからでも参加できますので、龍野商工会議所のHPや本誌折込みチラシにて申し込みください。

 人間学セミナー本年第5回となります。はじめは仮名論語の素読となります。参加者全員が姿勢を正し、朗読していきます。会場全体がピシッとと引き締まった雰囲気となり、学びの姿勢を体感できます。
三木英一先生から『よく声がそろっていますね。素晴らしい。』とお言葉をいただきました。

■仮名論語 衛靈公第十五
 
 其れ恕か。己の欲せざる所、人に施すこと勿れ。
 
 (生涯行っていくべき大切なことは)恕(おもいやり)かなぁ。自分にされたくないことは、人におしつけないことだ。
 今回の章は、『学ぶに如かざるなり』『教有りて類無し』等、人生において学ぶ姿勢の大切さを説いた言葉が多く出てまいりました。また、『過ちて改めざる、是を過ちと謂う』『辭は達するのみ』等、日々の生活で反省したことのある言葉が出てきて、改めて心に留めておくべきだと感じました。

■大学・中庸 (矢羽野 隆男 著)

■『大学』を素読する(伊与田 覺 著)

 今回の大学・中庸は「本末・格物・致知・誠意」です。まず、該当部分の素読を行いました。
格物致知は朱子学上、重要であるにも関わらず、歴史的背景により大学での解説も簡素化されてしまった経緯があったようです。
 内容は大変むずかしいですが、三木先生に解説していただいた後の、2度目の素読はとても気持ちよく感じました。

■「心豊かに老いを生きる」(三木 英一 著) 
 5 趣味を楽しむ
 
 今回の講話は、三木先生の元気の源と言える趣味のお話です。『動』と『静』の2種類の趣味を楽しまれ、すべて60歳を過ぎてから始められたようです。先生から「若いうちから始められるとより人生が豊かなものになりますよ」と助言をいただきました。最後に吟詠とコーラスの一端をご披露され、三木先生はもちろん、会場全体も大変盛り上がりました。
 人間学セミナーは自身を磨く為の良い機会になると思います。皆様のご参加お待ちしております。
次回 平成三十年度 第6回は、七月十一日(水)午後六時三十分からです。

  • 2018年06月13日(水)18時30分